少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口29-
29 それで、作戦名は?
「あ、それなんだけどさ、さっきオレが言いかけたこの作戦を整理してから決めてもいいと思うんだよ。」
「ほう?」
彩里水は先を促すように返事をする。
「まずはさ、このチーム白水でどこまで一緒に行動するのか?チーム白水の最終目標を決めとかないと。」
「え?自分たちの元いた世界・・・。ってか、オールワン遊園地に戻ることじゃないの?」
「うん、それはオレと彩里水の最終目標だろ?でも、キップとクップはとりあえずここから連れ出してって感じだったと思うんだけど、どこまで一緒に行く予定?」
「あ・・・。」
白兎に聞かれキップとクップは顔を見合わせる。
「そう言えばそこまでは考えていませんでしたね。」
「そうだねー。とりあえずここから出たいってことばっかりだったねー。」
キップとクップが困り顔で言うのを見て、白兎は提案する。
「んじゃさ、とりあえずここから出るとこまでにしてみるか。この塔の外に出た後に、オレたちはオールワン遊園地ってとこに行きたいんだ。・・・ところで、おまえたちオールワン遊園地は知ってる?」
白兎は念のため確認する。
「さあ、聞いたことないです。」
「後で一応、他の方々に聞いてみますー。」
「オッケー、ありがと。んじゃ塔の外に出るってところまではとりあえず全員同じで、そこから先、キップとクップは自分たちがどうするか決めればいいよな。オレたちはオールワン遊園地を目指すから、そこに行ってみるなら一緒に行こう!」
「はい!」
キップとクップは声を揃えて元気に返事をする。
「じゃあ、作戦名と作戦の目標が定まったところで、、チーム白水の作戦名は?」
「んー?」
白兎に尋ねられた3人は首を捻って考える仕草をする。
「じゃ、じゃあ・・・。」
クップが遠慮がちに口を開く。
「“塔脱出作戦!”ってどうですか?」
――初めて自分から意見を言ったと思ったらっ。
――やっぱキップと似てんだな・・・。
――わりとそのまま。
彩里水、白兎、キップはそれぞれ思うところはあったものの、クップを慮って作戦名は“塔脱出作戦!”になった。
つづく
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