少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口28-
28 その前にチーム名は?
「作戦整理・・・。そうだな!でも、まず作戦名決めたいよね。あ、あとチーム名とかさー。」
「は?何だよ彩里水、そんなのいらな・・・。」
白兎が言っている言葉が聞こえていないキップとクップが言葉を重ねる。
「ええ!?格好いい!作戦名ですか?」
「それにチーム名!それですー。僕らはそういうのを待ってたんですー。」
「え?いや、そんなのいらな・・・。」
「だろだろー?そういうのあると、冒険って感じしてくるよねー?」
「いやだからいらな・・・。」
「冒険ですかっ!?」
「すごいですー!僕らがそんなことできる日が来るなんて夢見たいですー。あ、なんか泣けてきますー。」
――おい、誰か。オレを無視しないやつ呼んでくれ。
目に涙まで浮かべて喜ぶキップとクップに白兎はこれ以上何も言えず、先に作戦を考えたかったが作戦名とチーム名を考えることにした。
「わ、わかったよ。じゃあまずはチーム名決めるか。どんなのがいいんだよ、おまえら。」
「えー?何だろう?何がいいかなあ?」
彩里水はワクワクと目を輝かせながらキップとクップに意見を求める。
「えー?僕らに意見を聞いてくれるんですか?」
「う、嬉しいですー。やっぱり彩里水さんと白兎さんは本当に優しいですー。」
1度引っ込んだ涙がまたクップの目に溢れはじめる。
「いやいや、もう泣かんでいいから早く決めよう、な?」
「は、はいそうですね。じゃあ全員の頭文字を取って・・・“アシキク”なんてどうですか?」
キップは得意満面の顔で提案するが、他の3人の顔はシラっとしている。
「・・・う。じゃ、じゃあ他には何がいいですか?」
3人の表情から自分の意見が全く受け入れられていないことを悟ったキップは他の案を促す。
「うーん、そうだなー。ここを抜け出すためのチーム名でしょ?チーム脱走とか?」
「・・・“アシキク”よりはいいけどなんかそのまんま過ぎん?」
白兎がなんとも言えない表情を浮かべていると、彩里水がパッと顔を上げて提案する。
「あ!白水ってどお?どおどお?」
「ハクスイ?」
白兎とキップクップが声を揃えて彩里水に聞き返すと、彩里水は説明する。
「うん!名前を取ったってところキップのアイデアなんだけど、白兎の白と彩里水の水、それにキップとクップは水を飲む時に使ったから。どう?」
「うん、いいんじゃない?・・・あ、ハクスイのスイは水って意味で、彩里水の名前にも使われてるんだ。」
白兎が笑顔で言うと、キップとクップも目を輝かせて頷いている。
「よし、じゃあチーム白水ね。使うときがあるかはわかんないけど。それで、作戦名はどうする?」
つづく
0コメント